2011年1月15日土曜日

東京外為市場?15時=ドル92円半ば、EU支援策でもユーロ/ドルの下値不安続く

       ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円
午後3時現在 92.59/60  1.2726/30  117.84/87
正午現在   92.91/96  1.2765/68  118.62/67
午前9時現在 93.00/05  1.2733/38  118.46/49
NY17時現在 93.28/32  1.2790/93  119.28/32
 [東京 11日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点から下落し、92円半ばで推移している。中国株や米国株先物の下げを受けて朝方の93円台からじりじり水準を切り下げ、午後3時過ぎに92円前半まで水準を切り下げた。ユーロ/ドルも、EUによる緊急支援策を受けた買い戻しが海外市場で一巡、下値不安が続くなかで売りが優勢となり、午後3時過ぎに1.26ドル台後半に下落した。
 前日の米国株急騰のあと、きょうのグローベックス市場では米国株先物が反動とみられる売りで軟調な展開となった。中国の4月CPIが前年比2.8%上昇と3%に接近、利上げ懸念が広がったこともあり、しっかりだった上海総合指数がその後反落に転じて年初来安値をつけたこともリスクセンチメントを悪化させた。
 EUによる緊急支援策を受けたユーロの買い戻しが海外市場までで一巡していたこともあり、リスクセンチメントの悪化でドル/円やクロス円も前日の上昇に対する揺り戻しが先行した。ドル/円は午後3時半過ぎまでに92.32円まで下落してきょうの高値(93.39円)から1円を超える下げに、ユーロ/円は117.18円まで下値を切り下げ、きょうの高値(119.40円)からは2円を超える下げになった。 
 ユーロ/ドルも1.2678ドルまで下落。株価の下落のほか、「ユーロの下落トレンドは終わっていない。EUや欧州中銀(ECB)の支援策でギリシャの突然死は回避され、ドルのパニック的な調達によるユーロ/ドルの下落は落ち着いたものの、ギリシャなどの財政再建という根本的な問題が解決したわけではない」(国内金融機関)との見方がユーロを売りやすくしているという。
 未明の下げで1.2723ドルまで売られてEU支援策をにらんで開けた1.2760─1.2790ドルのマド埋めを完了。EU支援策が形になっていなかった前週の水準に押し戻されたあと、東京市場でも売り優勢の展開になった。
 EUなどの支援策を受けた10日欧州市場でのユーロ上昇の上値が1.3095ドル。「確認しきれてはいないが、1.31ドル前後がとりあえずの上値のメドになる」(国内金融機関)という。
 そのうえで「支援策の発表で、ユーロが走る相場は一巡した。今後は、急ピッチに1.25ドルの下値をトライする可能性が低下しており、売り回転をきかせる取引を狙いたい」(国内金融機関)との声が出ている。 
 <中国は利上げに向け物価上昇と市場混乱の板挟み> 
 中国で発表された4月CPIはプラス2.8%と同プラス2.7%を小幅に上回り、中国が政策運営の目標とする3%上昇に近付いており、4月の主要70都市の不動産価格が前年比12.8%上昇と2005年7月の統計開始以来最大の上昇率となったこととあわせ、消費者物価、資産価格の両面から価格上昇圧力が働いている。4月末時点の中国人民元建て融資は前年比21.96%増に拡大した。
 しかし「実質的なドル?ペッグのもとでは利上げはしにくい。人民元切り上げを模索しているだろうが、ユーロの急落で市場が混乱しているなかでは切り上げも難しいとみており、物価圧力と市場環境の悪化との板挟みになっている」(住友信託銀行マーケット?ストラテジスト、瀬良礼子氏)とみる声が出ている。
 今月24─25日には米中戦略?経済対話が予定されているが「市場が落ち着くかどうかだ。落ち着けば、人民元の小幅切り上げもあり得る」(住友信託銀行、瀬良氏)という。
 4月の指標が直前に流れた予想数字と一致していたこともあり、発表直後の上海総合指数はしっかりだったが、その後下げに転じて年初来安値を更新。「中国の引き締め懸念が株価に響いたのではないか」(国内銀行)との声が上がった。 
(ロイター日本語ニュース 松平陽子)

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引用元:ウルティマオンライン(Ultima Online) 情報局

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